【ご報告】第17回 カメリア・カレッジ (ゲスト講師:柴田節子氏)


10月6日(水)特別養護老人ホーム「カメリア」(東京都江東区・社会福祉法人カメリア会)にて行われた第17回 カメリア・カレッジについてご報告します。この日の参加者は9名。

ゲスト講師はS&S Entertainmentスクール代表・柴田節子氏

柴田氏は幼少期からNHK東京放送児童劇団に在籍。これをきっかけに舞台、ラジオ、テレビなどに出演するなどして活躍の幅を拡大。武蔵野音楽大学声楽科卒業後、さらにイタリア、オーストリア、フランスなどヨーロッパ各地で研鑽を積まれたそうです。帰国後は国内外でアーティスト活動を展開。

20101015camelliacollege0011またヴォイストレーナーとしても“スクールメイツ”や”トオル with Gee-ホイズ” 他の歌唱指導にあたっています。また、ビジュアルバンド”ラファエル”のゆうきや、小室哲也プロデュース”バランス”の三宅直子、“ドラゴンアッシュ”等のトレーナーを務める他、声優や舞台俳優への歌唱指導も行うなど幅広く活動されています。

20101015camelliacollege002さらに、2000年1月には好きなことを徹底的に楽しむ!をモットーにしたS&S Entertainment School(エスアンドエスエンターテインメントスクール)を設立。口コミを中心にして受講生の輪が広がり、現在200名ほどの生徒さんが在籍中とのこと。

今回、カメリア・カレッジにゲスト講師としてお越しいただくことになったのは、とらトピア(虎ノ門健康福祉館)の夏祭り(関連記事はこちら)においてS&S Entertainment Schoolのみなさんにボランティアで歌謡ショーを披露していただいたのがきっかけでした。

プロフィールを拝見すると、天職ともいえる演劇や音楽など身体表現の領域で順風満帆にキャリアを気づいてきたように思われる柴田氏。

しかし、いろいろとインタビュー形式で質問をしていくうちに、幼少時代から、多くの悩みや葛藤を経験してきたことを吐露してくれました。

NHKの児童劇団にいたころ、教育テレビの連続ドラマ「みんななかよし」レギュラー出演。その当時、「役柄の自分」と「本来の自分」との間の距離の取り方、自分自身ありかたを強く意識し、大いに迷い、葛藤したことが自らのポジショニングを深く考えるきっかけになったようです。

また早くに父親を亡くしたことが一因となったのか、世の中を斜にしか見ることができなかった高校時代を過ごしたこと。

さらにはプロ歌手として一番大切な「のど」をこわした経験など……そうした中で葛藤し、悩み、考えてきたことが柴田氏の表現活動、生き方、考え方の軸をつくってきたという印象を受けました。

20101015camelliacollege003柴田節子氏による丹田呼吸のレッスン

自分自身を知ること、自分のエネルギーの核となるものを把握すること、それにより自分の立ち位置を明確にすること、そうしたことが真の表現者として大切なことだと柴田氏は語ってくれました。

またスクールの代表としての教育理念にも過去の葛藤や悩みから得た気づきが強く反映されているように感じました。

スクールでは、受講生の主体性を大切にし、講師の考え方や見方を一方的に受講者に押しつけないことを教育理念にしているとのこと。

20101015camelliacollege004講師の役割は、受講生が「自分自身について」、「自分のよりよい立ち位置」について知るためのサポートを行うこと。そのために受講生一人一人に「よりそう」ことを講師の皆さんに大切にしてもらっているそうです。

柴田氏が代表を務めるS&S Entertainment Schoolの教育理念は、その対象は違えども湖山医療福祉グループが「こやまケア行動指針」で掲げているお客様<お一人おひとりに寄り添うケア>に相通じるものがあります。

こうしたこともあり、S&S Entertainment Schoolと湖山医療福祉グループとの間で今後何らかの形で協力関係を結んでいきたいと司会進行の阿久澤よりお願いしたところ、柴田氏も強い意欲を示してくれました。

(2010年10月15日 阿久澤 騰)