カメリアカレッジ教育講座(第8回)が開催されました。
日時:平成23年4月23日 14時~16時
会場:特別養護老人ホームカメリア(地域交流室)
講師:袰岩 正子(ほろいわ・まさこ)先生(元台東区立東泉小学校校長)
タイトル:価値観の多様化の中の家庭教育
袰岩先生は、道徳教育のプロフェッショナルとしてご活躍されています。
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価値観多様化の中での道徳教育とは?
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心の教育とは?
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震災後の心の教育、ケアの在り方とは
講師紹介:袰岩正子(ほろいわ・まさこ)。墨田区立の小学校教諭を15年間務める。東京都立教育研究所勤務。
足立区立入谷小学校・校長ほか、東泉小校長等を経て16年3月退職。文教大学道徳教育講座等でご活躍される。
江東区の道徳研究会に携わっている。価値観を通してみなさんと考えていきたい。価値観とは何かをここでは考えていきたい。
価値観・・・それぞれの方がもっている。生きている基準が価値観。全員に共通するもの。
学校教育で使われるのは道徳的価値観。道徳的価値観:よりよい価値観のことを指す。
世の中の価値観が多様化。価値観の多様化の中で家庭教育が困難になっていることが学校教育では困難になっていると認識されている。世の中が変わっている。3月11日の大震災の後、
価値観が大きく変わろうとしている。震災を経験して価値観が変容しようとしていることを実感している。
事例)ドイツ・デュッセルドルフで日本の母親と子供がサクランボをとって食べて投げ合って遊んでいた。
それを母親が眺めていた。その光景をみてドイツ人の婦人から注意をされた。 →親としてどう思うか?
意見:日本の母親は「すいません」と謝る。前提にあるのは公園の公共物を勝手にもて遊ぶという行為が価値観に基づいた言動。
ドイツの婦人は、このサクランボは小鳥たちが楽しみにしているものです。だから大切にしてもらいたいといった。
日本人:私たちは日本人の祖先が長くどのような価値観であったのか?そのことが現在の価値観にどのように影響を及ぼしていたのか?
震災の体験について:曽野綾子さん「日本と日本国民に対する評価は世界で一挙に高まると思われる。
厳しい天災の中にあって、このような静謐を保てる気力は、世界にそう多くはないからだ」。
ラフカディオ・ハーン:松江における人々のすばらしさを伝える。こよなく日本を愛した。
新渡戸稲造:ベルギーでの滞在時、現地の方から「日本人の心はどのように育てられているのですか?」と尋ねられた。それを通じて「武士道」という本を英語で執筆した。「慈愛・正直・礼儀・自制心」など日本人が大切にしていた心などをわかりやすく説明した。
価値観にかかわって(事例を通じて学びました)
事例1:[暮の過ごし方 業者に清掃を頼んでわが子と遊ぶ時間を確保する若い母親] 「子供に掃除をやらせる。掃除のできる子供。遊ぶのは掃除が終わってから。
自分でやって手伝わせる。」、「こどもといっしょにやる。」年代による価値規範の多様化。
今求められている心の教育
他の人に目が向けられる人。
ボランティアの精神。
ならぬものはならぬ。価値の主体的自覚。
徳育をおろそかにしない。
さいごに: 家庭においては、「大人が自分の価値観を磨き、自信をもって、凛としたしつけをする」というおことばを いただきました。家庭教育にあたっては社会の変遷の中で問われているのは子供の変化や社会の変化だけではなく、 親や、大人の変化を自身が理解し、自身の価値観を高め、磨いてくことが必要であるのでしょう。