池田朝子さんによる「カメリア」見学レポート(5) <施設見学の感想>


年12月26日に特別養護老人ホーム「カメリア」を見学された国際医療福祉大学大学院医療福祉ジャーナリズム分野修士課程2年 池田朝子さん。その池田朝子さんが見学レポートを寄稿してくれました。

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「カメリア」見学レポート(1) <施設見学のねらい>
「カメリア」見学レポート(2) <施設見学の感想>
「カメリア」見学レポート(3) <施設見学の感想>
「カメリア」見学レポート(4) <施設見学の感想>

すでに掲載済み上記レポートの続編、最終回になります。

お風呂場の隣に洗濯場があり、処理したいものはすぐに流せ、洗えて、導線を考えて作ってあると伺いました。

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カーテンレールはボックスの中に入れ込んであり、外側からレールが見えないので、見た目も美しい設計でした。これは、「職員がレールの上を掃除しなくてもいいように考えました」と高橋さんが言われました。ホコリが案外溜まるところですので、掃除の手間を減らし衛生的にも優れていると思いました。

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1階ホール奥に、遠くから見ると、綺麗なピンクのカメリアの額がありました。カメリアはさざんかのことで江東区の花、このロゴマークは各所に使われ、オリジナルということで素敵なデザインになっています。近づいてみたら、何と、数多くの姓名を配列して出来上がったものでした。定礎式の礎石になぞらえ、この施設に関わられた皆さんのお名前をこのようにして残すことで、感謝と思い出にされたそうです。

大きく開くドアの先には公園があり、見晴らしが良いように真ん中に木は植えないことにしたそうです。全ての施設がこの公園に面し、ここへ地域住民の方々もお越しになり、地域と融合した施設運営が展開されるご様子が、高齢者にとても楽しく豊かな生活を提供すると感じました。

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このあたりは、江東区と墨田区という下町の土地柄、地域活動も活発だそうです。今後この公園でたくさんの催しが開催され賑わい、笑いと笑顔が充満している様子が浮かびました。見学に伺う日、私は押上駅から歩いて街探しているうちに興味深くなって横道に曲がるうち彷徨ってしまい、お待ちいただきお詫びするばかりです。そして、昔懐かしい駄菓子屋さん、お祭りの太鼓店、古びた雑貨店、もう消えてしまったかと思うような街並みが残っていてワクワクしました。

ここで長年暮らしたお年寄りをお迎えしようとする皆様のおもてなしの心と、そのための周到な準備のご苦心は並々ならないと思いました。ほんの一部しか理解できませんが、このような背景の基、湖山先生の高齢者施設が運営されていると知りました。

「自らが受けたいと思う医療と福祉の創造」という湖山先生の理念が、まさに現場でお一人ひとりの方から生まれ、具現化されていることを知りました。

この度は貴重な体験をさせて頂き、心より御礼申し上げます。

(寄稿者 池田朝子さん・国際医療福祉大学大学院 修士課程2年)

池田朝子さんプロフィール

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婦人画報社にてファッション誌の編集者・ライターを経て、現在は、シニア産業カウンセラー、カラー心理カウンセラー。色と会話で元気が出る相談活動を展開中。食道がん末期のお父様を介護。昨年自宅で看取る経験を通し、医療福祉を家族が知ることの大切さを知る。その思いを胸に現在、大学院で医療福祉について学びを深めている。